こだわり

 皆さんは手品に対して“こだわり”を持っているでしょうか?
例えば“レギュラーデックで演じるこだわり”。
このこだわりを持つことにより、レギュラーデックの可能性を広げるため、難度の高い技法をマスターします。
トリックデックやギミックカードなどを使えばいいところを使わずに、何とかしようとします。
そうすることにより、新たな技法や見せ方、表現などが生まれ、カードマジックの世界を発展させることになるでしょう。

もちろん、それはいろんな部分にも言えます。
例えばWバックで何が出来るだろうとか、テクニックを使わないでどんな不思議な事が出来るだろうかなど、試行錯誤することでしょう。
もちろん、カードマジックに限らず、コインもカップ&ボール、または日常品とか、何の準備もない状態で出来るマジックとか、いろんなところでこだわりを持つことによって、発展していく事でしょう。

しかし、いいことばかりではありません。
例えば、レギュラーデックにこだわる事により、レギュラーデックしか使わなくなります。
そうする事により、見せれる手品や現象にも限界がでてきます。
レギュラーデックでいくら頑張っても、メンタル・フォトの現象を、トリックデックほど鮮やかに見せることは不可能でしょう。

コインにしても、シェルを使ったぐらいクリーンに見せるのは、かなり困難でしょう。

“こだわり”も良い点と悪い点があります。
ここで言える事は、“こだわりが手品を発展させ、こだわりが手品の限界を創る”と言う事です。

科学が発展して、より生活が便利になる反面、その科学によって地球環境が悪くなり、自分自身を苦しめる…。
“こだわり”を語ることによって、今の地球環境にも当てはまるような気がします。

皆さんも、いいこだわりを持って、より良くマジックを楽しんで下さい。




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